スカート基礎構造学教室♪



 ここは「こういう構造や特徴,目的のものがあるんだよ〜」と,詳しく突っ込んでみるページです.「いんとろだくしょん」とちょっとタブる部分がありますが,復習のつもりで読み流してください.

 ちなみに,「こういう分け方がある」というものを揃え,その特徴を示しただけなので,たとえば店で売ってるスカート1枚取って「これは何スカートだ!?」なんて1種類に分類することはほぼ不可能だと思って下さい. と・・・言っても,「これはフレアでギャザーでサーキュラーで・・・」なんて言い方もしませんね.普通は当てはまる特徴ひとつのみを取って「〜スカート」と称します.

 絵はクリックすると大きくなります♪(ならないのもあるけど ^_^;


その1,裾がフレアな場合

フレアスカート FlareSkirt
     
 Flare は裾広がりの意で,身体にそったタイトスカートに対し,ゆったりしているスカートです.
 タイトスカートに比べ運動量が多く,「体型の欠点」がシルエットに影響しないなどの特徴があります.「体型の欠点」とは一体何かなどという野暮な質問をしてはいけない.
 ちなみにこの呼び名 (FlareSkirt) は日本以外ではあまり用いられないようです.
     
 
サーキュラースカート CircularSkirt
FullCirCularSkirt  Circular は円形・環状の意で,円形に裁った布の中央にウェストに合わせて丸い穴を開け,裾の部分で自然のひだができるように作られたスカートを指します.
 サーキュラースカートには完全円形に裁断されたフルサーキュラースカートと,扇形に裁断したセミサーキュラースカートがありますが,普通サーキュラースカートといえば全円のフルサーキュラースカートを指します.
 ウェストの位置からフレアが出ていて,フレアの量も最も多いためにすっごく派手になる傾向があります♪
 
ドレススカート DressSkirt
DressSkirt  着こなし方でドレスにもなるスカートです.
 長いスカートになるし,胸まで引き上げればドレスとして着ることができるってな感じで・・・ まぁ,右図のように・・・
 
エスカルゴスカート EscargotSkirt
EscalgotSkirt  Escargot はフランス語でかたつむりのことで,かたつむりの殻のようにらせん状にはぎ合わせたスカートのことを指します.
 
ギャザースカート GatherSkirt
GathrSkirt  Gather は「集める」の意で,布を縫い絞ったときにできる布のしわのこと.
 ギャザースカートは胴回りにあわせてひだを寄せて作ったスカートのことをいいます.
 筒型に縫った布の上端をそのまま縮めた物や,フレアを入れてひだを寄せた物などがあります.
 
ゴアスカート GoreSkirt
 ゴアとは「三角布」の意で,何枚かの「まち」をはぎ合わせて作るスカートの総称です.
 一般にウエストはぴったり合っていて,裾にかけてフレアが入ります.(生地が三角形ですからね)
 まちの数によって TowGoreSkirt,FourGoreSkirt,EightGoreSkirt などと呼ばれ,サーキュラースカートも何枚かの布を使っていればゴアスカートということになります.
 
パラシュートスカート ParachuteSkirt
 Parachute,詰まるところが落下傘のようなカタチのスカートで,三角形の布を縫い合わせ,裾でフレアの入ったスカートのことです.
 パラソルスカート・アンブレラスカートという名前でも呼ばれますが,いずれもかな〜〜〜り裾が開くモノのようです.
 ちょっと不安な気がする.
 
パラソルスカート ParasolSkirt
 →パラシュートスカート (ParachuteSkirt)
 
プリンセススカート PrincessSkirt
PrincessDress  プリンセスドレス(右図)のスカートの部分を指してこう言います.
 ウエストラインで身体に沿わせ,切り替えを入れて,裾でフレアを入れた構造になっています.
 
サーペンティーンスカート SerpentineSkirt
 (未稿)
 
シャードスカート ShirredSkirt
 Shirr は「ひだを付ける」という被服用語(紙おむつで「隙間ブロックシャーリング」なんてのがありましたね).ってわけで以下はギャザースカート(GatherSkirt)の項参照.
 
スウィングスカート SwingSkirt
 Swing は「揺れる」の意で,特定の型を指すのではなく,歩く度に裾が揺れ動くように裾幅を広く,芯などを張らないで作られたスカートのことを指します.
 
アンブレラスカート UmbrellaSkirt
 →パラシュートスカート (ParachuteSkirt)



その2,裾がタイトな場合

タイトスカート TightSkirt
     
 フレアスカートのように裾で広がったスカートに対し,身体にそったシルエットを持つスカートを指します.
 ひとつの型を指すものではなく,タイトな構造を持つストレート・シース・マーメイドなどすべてをひっくるめていうこともありますが,この呼び名(TightSkirt)は日本以外ではあまり用いられないようです.
     
 
A ラインスカート A-LineSkirt
 近年ファッション誌なんかで見かけるようになった分類名です.
 アルファベットの A の字のようにウェストから裾にかけて少しずつ広がるシルエットを持つモノで,タイトというほどタイトじゃなく,フレアというほど広がらない・・・ってなもんです.
 大抵は膝下までの長い丈で,膝丈程度の場合は「台形スカート」なんて呼ばれます.
 
アンフォラスカート AmphoraSkirt
AmphoraSkirt  Amphora は古代ギリシャ・ローマの取っ手付きの壺のこと.
 アンフォラスカートは壺のカタチを模してヒップのあたりでふくらませ,裾すぼまりにしたスカートのことをいいます.
 こんな感じ(右図)・・・ちょっと極端な絵になっちゃったな.
 
バレルスカート BarrelSkirt
 Barrel は樽の意で,樽のような感じに上下でつぼまり,腰のあたりでふくらんだスカートをいいます.
 アンフォラスカートとほぼ似たようなモノを指すと思われます.
 
バルーンスカート BalloonSkirt
 (未稿)
 
バブルスカート BubbleSkirt
 (未稿)
 
コラムスカート ColumnSkirt
 Column とは「円柱」の意で,ストレートスカートのような円柱のカタチをしたスカートをいいます.
 というより,ストレートそのまんまでは・・・
 
コニカルスカート ConicalSkirt
 Conical は「円錐」の意で,円錐のカタチをしたスカート,セミ・タイトの外形を持ったものをいいます.
 A ラインスカートがこの範疇に入ります.
 
ゴルフスカート GolfSkirt
 (未稿)
 
マーメイドラインスカート Mermaid-lineSkirt
Mermaid-lineSkirt  身体にそって,裾で尾ひれのように開いている・・・上の方がタイトで,下の方がフレアっぽい感じになった丈の長いスカートをいいます.
 裾で開いたカタチが人魚に似ているところからこう呼ばれるそうです.
 
オーバルシェイプスカート Oval-shapeSkirt
 Oval は「卵形」の意で,卵のように真ん中がふくらみ,上下が細くなっているカタチのスカートを指します.
 バレルスカートが名前を変えただけのモノかも.
 
シャフトスカート ShaftSkirt
ShaftSkirt  Shaft は矢とか槍の意で,シャフトスカートは裾の一部を延長させ,先を槍のようにとがらせたスカートのことをいいます.
 ファッションショー以外の場所では見られませんね,こんなの.
 
ストレートスカート StraightSkirt
 ヒップラインから裾にかけてまっすぐなシルエットを持つスカートで,スカートのカタチとしては最も基本的なものです.
 特に運動量が加えられることもなく,装飾的な意味で裾が細められてもいないシンプルなデザインです.



その3,プリーツが入る場合

プリーツスカート PreatedSkirt
     
 全体にひだを畳んだスカートの総称で,正しくはオールラウンドプリーツスカート (AllRoundPreatedSkirt) と称します.
 対して部分的にプリーツを取ったものはプリーツの位置によって (SidePreated),バックプリーツ (BackPreated) 等と呼びます.
     
 
アコーディオンプリーツスカート AccordionPleatedSkirt
AccordionPleatedSkirt  アコーディオンの如く,プリーツがだだだだだだだだだだ〜〜〜〜〜〜〜っと連続するスカートを指します.必然的に,プリーツは細かくなります.
 放射状に広がる細かいプリーツが太陽の光線のようだってんで,「サンバーストプリーツ」とも呼ぶそうです.
 
インバーティッドスカート InvertedSkirt (InvertedPreatedSkirt)
InvertedSkirt  Inverted は「逆にする」の意で,運動量としてボックスプリーツを前や後ろに取ったスカートのことです.
 雅美の母校(高校)の制服は前二本ボックスでした.
 
キックプリーツスカート KickPleatSkirt
 タイトスカートなどの運動量として入れるプリーツをキックプリーツといい,それの入ったスカートをいいます.
 インバーティッドスカートがこの範疇に入ります.
 
キルト Kilt
 スコットランド兵のはくスカートで,スコットランド兵の正装です.
 ひだのあるウエストからひざまでの短い丈のもので,ひだは同じ方向に畳まれ,次のひだの半分が隠れるまっすぐなもので,これはキルトプリーツと呼ばれます.
 
キルトフォールドスカート KiltFoldSkirt
KiltFoldSkirt  キルトプリーツをもったスカートで,主に大型ピンやバックルで留めた片脇のプリーツスカートのことをいいます.
 
シェルプリーツスカート ShellPleatedSkirt
 (未稿)
 
サンバーストプリーツスカート SunBurstPleat
 →アコーディオンプリーツスカート (AccordionPleatedSkirt)
 
ウェイバースカート WaverSkirt
 Waver は「揺れる」の意で,裾幅の広いフレアスカートやアコーディオンプリーツなど歩く度に揺れる感じのスカート全般を指します.
 
ヨークスカート YokeSkirt
YokeSkirt  ヒップラインのあたりで,ヨークに切り替えられているスカートをいいます.
 ウェストから腰にかけての線はタイトで,切り替えより下の部分にギャザーやプリーツを取ってゆったりとしたカタチのものが多いようです.



その4,重ねる場合

オーバースカート OverSkirt
     
 ドレス,スカートなどを付けた上からさらに重ねて用いるスカートの総称です.
 また,最初から二重に作られたスカートの上側を指して言うこともあります.
 下のスカートに比べゆったりしているのが普通で,水着やショーツの上に用いることもあります.
     
 
エプロンスカート ApronSkirt
 「前掛け」状のオーバースカートです.
 日本語で「エプロン」というと料理の時に使うようなモノ,「前掛け」というと八百屋や魚屋がよく使っているようなモノ・・・というイメージがありますが,英語ではどっちも "Apron" なんですよね.
 
ビーチスカート BeachSkirt
 浜辺などで,水着の上に着るオーバースカートのことで,詰まるところがパレオ.
 ・・・なんだけど,パレオって言っちゃうとリゾートウェアなラップスカート全般を指す場合もあるんだよね・・・
 
パネルスカート PanelSkirt
 装飾のために別布,あるいは共布をスカートの上に重ねたオーバースカートの一種です.
 Panel は「はめ板」「たて板」の意味で,布をスカートの前に下げたカタチがパネルのように見えることからこう呼ばれます.
 また,「パネル」は「三角布」の意味にも通じ,例えば4枚はぎのスカートを「フォアパネルスカート」と呼ぶこともあり,さらにスカートのはぎ目の線を「パネル線」ともいいます.
 
チュニックスカート TunicSkirt
 (未稿)



その5,巻き付ける場合

ラップアラウンドスカート Wrap-aroundSkirt
     
 Wrap とは「巻く」の意で,日本の「着物」のように一枚の布の両端を重ね合わせ,身体に巻き付けて用いるスカートのことです.一般には「ラップスカート」と呼ばれます.
 デザインにより前,後,横などいろいろな合わせ方がありますが,左前方で合わされるのが一般的でしょう.
 ちなみにシルエットがラップスカート風なだけで,実際は「耳」がついているだけというものも存在します.(詳しくは「ラップスカート解体講座」)
     
 
ライディングスカート RidingSkirt
 乗馬の際に用いる丈の長いラップスカートです.
 このスカートで乗馬する際は,鞍の左側に腰掛けて乗るのが正道で,間違ってもまたがったりはしないそうで.
 (参考→イクエストリアン・Equestrian)
 
サロンスカート SarongSkirt
 Sarong とは東南アジア地方で着られている「筒型の腰布」のことで,腰回りから余った部分を大きなプリーツのように重ね,ウェストで結び合わせるか,紐などで締めるなどして着用する着物です.
 サロンスカートはその雰囲気を取り入れたスカートのことを指し,日本の「着物」や「ゆかた」の腰から下部分がこれに通じます.
 
スカーフスカート ScarfSkirt
 大きなスカーフを腰に巻き付けて結び,無造作なカタチを表現したスカートのことです.
 というか,大きめのタオルや,透けない程度の厚さを持った大きなスカーフ等を腰に巻き付けて結ぶと,みんなスカーフスカートになっちゃうんです.あとは本人が「本当はスカートじゃなくてタオル/スカーフなんだ」ってことを気にするかどうかです.周囲の目は意外に節穴です.
 といっても,「そのまんま」より,キュロットの上にオーバースカートとして着ることの方が多いようです.
 
ウォーターフォールスカート WaterfallSkirt
 Waterfall は「滝」の意で,WaterfallFrontSkirt とも呼ばれます.
 広げると四角いカタチをしており,これを腰に巻き付けると「滝の落ちるように大きく波打った」カタチになるのでこの名があります.



その6,ウェスト位置にぴったし来ない場合

ハイウエストスカート HighWaistSkirt
     
 スカートの上部がハイウェストまで伸びたカタチのものです.
 自然のウェストラインより上の位置から始まったスカートで,ウェストラインより上の部分はダーツで胴にそわせ,ウェストラインにベルトをつけることもあります.
 ボレロや短い上着と組み合わせるとき,通常の位置までのスカートでは丈が足りず,こうしたハイウェストのスカートが要求されるというわけです.
     
 
ヒップボーンスカート HipboneSkirt
 Hipbone,つまり腰骨に引っかけたような感じにつけるスカートの総称です.
 普通のスカートはベルト位置がウェストラインにあるけど,それより低い位置にタイトな感じで腰に付いたスカートのことをいいます.
 
レースアップスカート Lace-upSkirt
Lace-upSkirt  Lace-up とは「紐で編み上げた〜」の意で,ハイウェストの中央を胸元に向けて紐で編み上げたり,デザイン的にレースアップ状態の箇所を配したスカートを指します.



その7,スリットがある場合

スリットスカート SlitSkirt
     
 Slit は「裂け目」の意で,裾に切れ込み(スリット)の入ったスカートを総じてこう呼びます.
 切れ込みの長さは一定ではなく,その位置も前,後,脇など様々で,主にタイトスカートのような裾の狭い運動量の少ないスカートに足の運動量を加えるために用いられます.
 「チャイナドレス」も考えようによってはこのスリットスカートのような構造ですね♪
     
 
ボタンダウンスカート ButtonDownSkirt
ButtonDownSkirt  脇を縦に裾まで開け,ボタン留めにしたスカートです.
 前中央を開けることが多いですが,デザインにより脇寄りにすることもあります.
 下の方のボタンを開けてスリットスカート風に着こなす人もいますが,某「桃色家屋」系のものは下の方のボタンは開けるのが「正しい着こなし方」だそうで.



その8,そのほかの場合...

イクエストリアン Equestrian
     
Equestrian  「騎手」もしくは「馬術的な〜」の意.乗馬用スカートでラップスカートに近いかもしれない.
 右側に股の部分までスリットを入れ,前側の布を腿部分にボタン等で留める.右足を鞍にかける際の都合を考慮したモノ・・・らしい.
 
ジャンパースカート JumperSkirt
     
JumperSkirt  胴衣とひと続きになったスカートで,袖なしもしくは短袖で特にブラウスやセーターなどのトップスと組み合わされるものを指します.
 「ワンピース」との区別はこの「中にブラウスやセーターを着るか否か」というところにあるようです.
 
スカートオール Skirtall
 オーバーオールズのスカート版.
 ただそれだけです.
     
 
サスペンダースカート SuspenderSkirt
 Suspend は「吊り下げる」の意.肩に掛けたベルト,つまり「サスペンダー」で吊る構造のそのまんま「吊りスカート」.紐はボタンで留めるモノから縫いつけられているモノまで様々.子供服や室内着によく用いられますが,中学生の制服もたま〜にこれだったりします.
 
ティアードスカート TieredSkirt
 Tiered は「段・列になった〜」の意で,ひだ飾りなどで幾段にも区切られたスカートをいいます.ちょっとハデめのウェディングドレスのようなモノを想像してもらえればほぼ間違いないかと.
 シルエットは裾広がりの物,まっすぐなものなど各種で,段と段の間隔も等間隔の物,裾の方ほど広くなる物,また狭くなる物などさまざまです.
 
チュチュ Tutu(仏)
 クラシックバレエのバレリーナが用いるバレエ衣装のアレです.
 丈が短く,横に跳ね上がったカタチの物を「チュチュ・クラシック」,釣り鐘型をした丈の長い物を「チュチュ・ロマンティック」と呼びます.
 
ヴォランスカート VolantSkirt
 Volant はフランス語で「(スカートなどの)裾飾り」の意で,一方の端を衣服につけ,他の端を放してひらひらさせた布,いわゆるフリルをつけたスカートのことを指します.
 
キュロットスカート CulotteSkirt
 「和製英語」です.英語では DividedSkirt がこれに当たりますが,フランス語にそのまんま "Culotte" という語があり,これは乗馬ズボンのことを指すようです.
 「乗馬用スカート」として出現したのが始まりだそうで,スカートのシルエットをそのままに二股に分けたモノ.構造的にはズボンの仲間に近いが,比較的丈が短く裾口が大きく広がるモノ・・・をキュロットと呼ぶようです.



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