"Log" と書いて「こうかい日誌」

それはあたしの想いの断片.

Aug1

8月らしいです.全国的に8月らしいです.8月とか関係なく夏らしいです.ヒートアイランド札幌も連日 35 ℃とか,数字だけなら太平洋ベルトにも負けない数字を叩き出しておりますが,あっち方面とは大きな違いがひとつ.「一般住宅に冷房はない」こと.ちなみにあたしの部屋に至っては扇風機の類もありませぬ.まぁなんとか生きていられるもんです.真夏に東京ベースに滞在しても,扇風機しかない部屋でなんとかしてるからなぁ.

しかしまぁ,明けない夜はないとか,止まない雨はないとか,そういう安い言葉に代表されるように「終わらない夏はない」のです.夏が終わるまで耐えるのです.夜が明けるまで,雨が止むまで,夏が終わるまで,生きていられるかは知らんけどな.

さて.手許に2冊の本がある.片方は最近手に入れたもの.もう片方は 30 年以上前に近所の本屋でふつーに手に入れたものだ.「お前さんどういう○学生だったんだ」というツッコミは今更ですのでスルーで.当時は「黄色いシール」もなかったですしねぇ.ついでに今でも小説は対象外ですしねぇ.謎ですがそういう世の中の仕組みですので.で,気がつくと古い方の本がすごい値段で出回っていて何か生えそう.その値段で買い手が付くのかどうかはともかく.

ともあれ 30 余年前,この本の著者は「覆面作家」と呼ばれていたんだよね.駆け出しの三流にも満たない作家ではないというのは,中身を読んでみればわかる.「あぁ,物語ってこういう風に幕を引くのかぁ」と当時○学生のあたしは考えたものである.そういう小説をふつーに読む○学生ってのもアレだが,大昔から本を読むのは好きだったのもあって,漢字その他の「読み」は無敵だったんだよね.「書き」はさっぱりで,高校生になっても試験で「読み」は難読漢字でもまず外すことはない(ただし「常用漢字」の範囲で頼む)のに,「書き」は当たり前に0点喰らったりという惨状.高校出てから必要に駆られて気がつくと書けるようになっていたけど.えぇ,元々読めて「なんとなくのイメージ」的なモノは脳内データベースにはあったので,その逆引きインデックスの構築に成功すればあっさりですわ.PC の時代になって漢字を書けない若者が増えたなんて言われることもあるけど,あたしは全く関係ありませんでしたねぇ.そういえば「テレビゲームで視力が落ちる」というのも全く関係なく,中学生になってその手のものから離れた途端に視力がガタ落ちしましたわ.

話がずれまくっている.ともあれ,その本が出てから 30 年弱.当時の状況は詳しくはわからないが,今日わかる資料からは「ガンと診断され死期を悟った」のだろうかと勝手に推察するとある作家が,自分がその覆面作家の中の人だと激白した.左の本の帯にも出ている紫綬褒章作家・稲葉真弓氏である.曰く,当時世の中は(末期とはいえ)いわゆるバブルの時代であったが,世の中のそんなノリとは関係なく不遇の時代を送っており,とにかく仕事を得るために「そういう仕事」に喰い付いたのだという.かつて孤軍奮闘した覆面レスラーが再びリングに上がることはないだろう・・・と書き遺し,まもなく件の大作家はこの世を去った.

それから十二支が半周.その覆面作家の著作が次々復刊されているのはまた面白いなぁというか,復刊されているものはすべて買っているんですがというか,やっぱり今どきの軽文学作家とは次元が違うよなぁという点が節々に散らばっていたり.「今どきの軽文学作家」がダメというわけではなく・・・ゐや,本当に・・・なのもいるが,みんながみんなそうというわけではなく・・・って,何を綴っても言い訳にしかならないな.なんていうんだろ.時代を超えても通用するはずのモノの表現というか,言い回しというか,そういうのが.今しか通じなさそうな軽文学,多いでしょ・・・

でまぁ見ての通り,表紙絵は旧版のオマージュというか現代アレンジというかになっていて,「フォントそのまま」から手は加えられてはいるが味気なく見える旧版のタイトルロゴも,シンプルなれどきっちり作り直されてる.単なる復刊じゃなくて,いい仕事してるなぁ,と.そんなコトを考えてみたり.

古いものが復刊されることを喜びつつも,なぜ今なのかということを考えると少し切なくもあり.年金ももらえるようになる前にガンで亡くなり,ガンであるがゆえに恐らくは「近々自分がいなくなることと,身辺整理の時間があった」からこそ「あの覆面作家の中身は自分だった」と公表できたのだろうし,それがなければ復刊があったかも怪しい.オリジナルも含め結構な数の作品が当時発表され,最近刊で5冊目である.これからもまだ暫く続くだろう.

オリジナルは復刊されないのかなと淡い期待を抱きつつ,表するに窮する何かを感じつつページを繰るのである.あたしは漫画も含め読むのが遅いゆえ,読了の頃には北の街には秋風が吹き込み始めるであろう.

Aug14

やっぱり始まるついったーらんどの大喜利.

冷たい言い方をすれば「比較対象が違います」だが,気持ち的なところではこの辺が本音なんだろうな.感情ではなく論理で動けとはあたしも思うが,人は論理のみにて動く存在ではない.

まぁ「ジシュク?そんなもんしとらんぞ?」と嘯く高引きこもり耐性&出るとなれば東京その他飛んで回るあたしでも「帰省」はせんのだけどな.東京行っても「国民17」の言っていることに近いが,夏コミもないのに真夏の東京に用などないというか近寄りたくない. ・・・「近い」じゃなくて「そのまんま」だわ.

そういえば「都道府県境」を超えずに都道府県間を移動する方法ってネタもあったっけなぁ.代表的なところだと山梨と静岡は県境を超えずとも交互に行き来が可能(富士山8合目以上は県境未設定)とか.北海道も青森なら行けるな.あそこは「県境」じゃなくて「国境」だからなネタじゃなくてマジで.他は陸海空どこ行っても「県境」に触れそうなんでダメかな・・・あるいはユジノサハリンスクやウラジオストク経由で・・・はこのご時世じゃ無理か.

んでまぁ,囀り場でよくまとまっていた&たまたま目についたものが上記のそれってことで,実際には追加ネタが出てきているようで.茶番動画でも問題ないという人にはこんなの↓も.

1:46 14Gpc 譲ってスポーツは挑戦だったとしても,スポーツイベントも挑戦じゃない.一部のスポーツ好きのためのイベントに関係ない国民を巻き込まないでくれ.終わったらしいが変わらず言うぞ.あんな傍迷惑なイベント二度と来るな.

Aug31

20 年も前なら,盆を過ぎれば北の大地は秋であったという.

翻って今年.8月第1週まではクソ暑だったけど,そこから夏が盆休みに入って「このまま行ってくれれば今年も団扇だけで乗り切って終われるー」な感じになり,そして今日はやや風の強い日・・・しかもこれ秋風だよ.今夜からはちょっと天気が崩れるというし,完全に「9月の扉」が開きましたな・・・って,実際に8月末日だし.あっれぇ?

さておき.なんだかモデルナのワクチンに金属片混入がなんとかで騒ぎになってますなぁ.やっちまいましたなぁ.しかし厚生省の釈明が「成分には影響ないから健康上問題ない」ってゐやあーた,成分には問題なくても異物を射たれる方をみんな心配してるんじゃないっすかね!? 説明するとこそこじゃないよ!? 「事前に異物混入がないかどうか確認するように説明書に書いてある」って,それは説明書以前の当たり前ーっ!

で,続いて出てくる異物混入話.「薄い色付きの物体がシリンジから・・・」えーと・・・それはメーカーのせいじゃなくて「コアリング」ぶちかましただけでは? と疑っていたら見事にそのとおりだったというオチ.そして今回の釈明は「注射針をふたに対して垂直に刺すよう自治体などに呼びかけて・・・」 このボケマニュアル人間がーっ! たとえ垂直に刺しても同じバイアルに何度も・・・どころか 10 回近くも刺せばコアリングのリスクは二次関数どころか「不可避」に近いわーっ! 問題の本質は「技術のない薬剤師/看護師までも動員した(しなくてはならない状況に陥っている)」ことじゃなくてか? ・・・薬剤師にもいろいろおりましてな,注射薬を扱うための技術に覚えのある薬剤師とそうでない薬剤師がおるですわ.看護師も同じバイアルから 10 本近く取るような業務は通常ありえないからこういう場合の手技もわからないかもしれんし.あたしですか? 多少は覚えのある薬師のつもりですわ.この場合コアリングのリスクを考えて「バイアルに刺す針は1本で済ませる」手を使いますかね.同じバイアルに刺して良いのは3回までだ・・・それが正解かは賛否あるだろうけど.あ,「注射針を使い回す」んとは違いますよ,もちろん.

で,次は「医師が自分の指を刺した針で接種」だと.よくよく話を聞いてみると,違和感はあったが自分の指を刺したことは気が付かなかった.後に自分の指が出血していることに気づいて・・・という流れだとか.そして事務方の釈明は「注射器の二度使いはあってはならず・・・」・・・ゐや,注射器の二度使いじゃなくて誤刺事故だろうよこれは.少しは医師の心配もしてやんなさいよ.以前にも書いたけど,「通常ありえないミス」が頻発する原因は「現場の疲弊」だよ?

んでまぁ,ワクチンで高齢者の感染者数は激減したけど全く抗体価の上がらない人なんかもいて「あんれぇ?」状態だとかなんだとかで,やっぱり一筋縄では行かなんだか,と.ゐや,追跡してないだけで季節性 flu ワクチンなんかでも同じようなことが起こってるのかもしれないけどね.治療薬に関しては言わずもがな.もっとも一般的には少しでも可能性があれば「特効薬」と呼ぶようで,あたしのような薬師の考える「特効薬」とは全く認識が違うようですが.flu もコロ助も,今のところ「特効薬」はないぞ?

もののついでに一部で騒がれてる「(ワクチンは)治験が終了してないのに」云々.これ「市販後調査」のことを勘違いして,あるいは曲解してるんとちがいますかな・・・別名「治験第4相」とも呼ばれるんで.治験は「第3相」までで健康人に使って悪影響がない/あるとすれば何が起こるか,患者に使って効果がある・・・なんかを確認して,通常はここまでを「治験」と呼ぶ.大きな問題がなければ「発売」となるんだけど,ここまでの段階ではどうしても「限られた数」でしか試験できないんだよね.なんで発売して大勢の人に使うとレアケースが発見される場合がある.そのレアケース情報を集めるための網を張る必要があってそれが「市販後調査」.既にレアケース以外の安全性は確認されてるんでこの段階は敢えて広義としない限り「治験」とは違うのよ.それを「治験が終わっていないので安全性が~」というのは誤解あるいは曲解・・・恐らくは煽動者が曲解して流布し,不信感を持っている人がそれをそのまま再放送してるって構図じゃないかなぁと・・・しかもそういう手合に限って「治療薬」には何故か無抵抗に飛びつくから訳がわからない.「特効薬」じゃねぇっつってんのに何を勘違いしたのか「タミフル」をバラ撒きまくった結果,何が起こったか忘れたわけではあるまい? 薬との因果関係は低いという結果が出てるけど,因果関係が有るにせよ無いにせよ「治療薬ってその程度」あるいは「治療薬にはそういうリスクが」というのを頭の中から追い出さないでくれよ? むしろ CoV に対する効果治験をすっ飛ばしたのは某「治療薬」の方だぞ?

そういえば自衛隊の大規模接種センターを騙るフィッシングメールがバラ撒かれているとか.あたしのところにも来たけど,思わず保存しちゃったよ.

Date: Sun, 29 Aug 2021 05:31:01 +0800

Received: from info.vc-osaka.liny.jp ([116.85.37.47]) by scpa308.cm2.dti.ne.jp with ESMTP id 3aq38gpmu4-1 for ; Sun, 29 Aug 2021 06:31:09 +0900

From: =?utf-8?B?6Ieq6KGb6ZqK5aSn6KaP5qih5o6l56iu44K744Oz44K/44O8?= <info@vaccine.mrso.jp>

Subject: =?utf-8?B?6Ieq6KGb6ZqKIOWkp+imj+aooeaOpeeoruOCu+ODs+OCv+ODvOOBruamguimgeOAgOS6iOe0hOOCteOCpOODiOahiOWGhe+8iOS6iOe0hOODu+WPl+S7mOahiOWGhe+8iQ==?=

X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2900.5512

Content-Type: multipart/alternative;

Content-Type: text/plain; charset="utf-8"; Content-Transfer-Encoding: base64;
Content-Type: text/html; charset="utf-8"; Content-Transfer-Encoding: base64;

東京にある自衛隊の大規模接種センターが大阪の接種センター鯖を通して送ってきて,しかもその鯖の実体は北京にある.メールのタイムスタンプも中つ国標準時.おまけにメーラが今どき OutlawExpress,なのに iso-2022-jp を使わない行儀の悪さは当たり前としても utf8 + base64 という弁えはある・・・深いなぁ(棒

以上,世間の片隅から薬師の末席がお伝え.